FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ある秋の一連の日記 03:始まってから

いよいよ始まった。
主に花咲さんがドキドキしているので、自分もやっと「ああ大変なことなんだ」と分かった片手入力のスキルアップ研修が。

このスキルアップ研修は、本当は5日間の予定。
しかし受講者さんの都合か何かで、いっぺんに時間をとれなかった。
今月3日間。これは続けて行われる。
そして間が空いて、来月2日間、これも連続で行われる。

このスキルアップ研修の前に、PCプラクティスがあった。
たまたま片手入力の人がいた。
この方、脳梗塞か何かで片麻痺になったので、慣れない左手オンリーで打たなければならない。

実に大変そうだった。
慣れた人は結構早く入力しているが、まだ慣れていなかった。
そのために教室全体が常に遅れ気味で、わたしは悪戦苦闘していた。
――たまたまフォロー役だった人が、PCインストラクターとしては慣れない人だったという、悪条件が重なった回だった。

「片手入力」「片手入力」とそればかり考えてきたわたしと花咲さんだが、もう2人、受講者さんがいる。
VさんとWさんにしよう。そして片手入力の人はUさんにしよう。

VさんとWさんは聴覚障害で、同じ会社で働いている。2人とも定年が近い。
定年後の雇用確保のために、「パソコンを使えればできる仕事の範囲が広がるかも」という理由で来ていた。
その時点では、技術職的な仕事だった。生産ラインとか印刷関係とか機械製造とか、事務ではない仕事で割と高給な仕事。でも体を使うので、定年後もずっとというわけにはいかない。

同じ会社だけど、部署は違うのだそうだ。

Vさんはちょっとひょうきんタイプ。Wさんは真面目そうに見える。
2人とも明るくて茶目っ気がある。年代や個人の性格にもよるけれど、聴覚の人は明るい人が多いように思う。

そしてもう一人、「まるわん症候群で、片手入力なんだそうです」と聞いていたUさん。

ところが来てみたら、Uさんは「片手入力じゃないです」と言う。
ナースルームの人も「指は別に大丈夫です」と言う。

――なぜナースルームの人になど話を聞いていたのか、今となっては忘れてしまった。
きっと初めて聞く障害に、花咲さんが手配してくれたのだろう。

なんだ、片手入力じゃなかったんだ。

わたしは安心した。
それなら普通にホームポジションを守って練習してもらえばいい。

でもやっぱりそうは問屋がおろさなかった・・・・・・



●8年目:いろんな出会い
Chapter 4 どこかの誰かのストーリー



■目次へ■

■まえがきにかえて(おことわり)■


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。