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補助スタッフさん 06:人それぞれ

ダブルワークをしている第二の職場で、障害者雇用が始まった。
法律が改正されて、雇用率も上がったし、「従業員何人以上の会社は」の「何人」も下がった。
「そういうことをきちんとやっている会社はいい会社」というご時世にもなったし、ここらで雇用に踏み切ろうという感じだ。

中には「これこれこういう法律ができてね」と説明してくれる社員さんもいた。
――知ってますとも、ずいぶん前から「法律が変わるから」と話にのぼってましたから。
――あ、ちなみに「法律ができた」んじゃないですよ、法律は前からありました。率や規定が変わったんです。
とは言わなかったが。

釈迦に説法とはとても言えないが、少なくとも第二の職場の人たちよりは、わたしはずいぶん多くを見てきた。

第二の職場では、特別支援学校なのか作業所なのか、どこかの施設に担当者が通って、知的障害者を雇うことになった。
障害者を雇うというと、当たり前に「知的障害のある人に簡単な作業をやってもらう」というイメージが湧くのは、どうしてだろう?
わたしの隣の席の人にしても、同じチームの他の人にしても、違うチームの席が近い人にしても、「会社に障害のある人が来る」と聞くと想像するのは知的障害者のようだった。

それはともかくとして、担当者は施設の人から何度も説明を聞いたようで、「ああしちゃいけない」「こうしちゃいけない」というルールを覚えてきた。
そしてそれを、人事部から全社員宛てに知らせた。
たとえば「トライアル雇用の方が**日から働くことになりました。急に話しかけると萎縮してしまうことがあるので、用のない人は安易に話しかけないでください」「肩に手をおくなど、接触することは避けてください」などなど。

1人目がトライアル雇用でやってきて働いている間は、人事部の担当者がつきっきり。
丁寧に優しく、注意事項も守って、仕事をさせていたらしい。

2人目、3人目も同様。

そしてお互いに「この人ならいいかも」「この会社ならいいかも」となり、3人のうち1人と正式に契約した。
ところが、なかなかうまくいかず、結局は不登校ならぬ不出社になった。

ひと口に知的障害といっても、さまざまなケースがある。
ケースが同じでも個人個人違うところもある。

壊れ物のような扱いがよい場合もあるし、悪い場合もある。

人それぞれなのだ。

そして、ひと口に「人それぞれ」といっても、それが分かっていれば対処できるというものでもない。
ルールやガイドラインだけでは対応できないときもあるし、自分が観察して「こうだ」と思っても違うかもしれない。

やがて担当者も慣れていくだろうけれど、そんなことに人員を割いていいのか?
だって第二の職場は出版系。紙媒体の衰退する時代、経営は厳しくなり、なんとかして利益を得る手段を見つけようと四苦八苦しているところだった。

そうか、ジョブコーチというのはいい存在だな、と思った。
スクールである日ついに「ではあなたとはここまでということで」と言われたとき、そういう選択肢もありかも? なんて。

第二の職場で入った人が続かないケースが2、3度あったことを知って、「人それぞれ」の難しさを改めて感じた。
そしてスクールで特別枠でしばらく働いてみることの良さ、有難味みたいなものも考えた。やっぱりあれはいいことなのかもしれない。
仕事慣れする、社会慣れするという意味で。

とにかく大切なことは「人それぞれ」。まずはこれを忘れないことだ・・・・・・



●8年目:いろんな出会い
Chapter 4 どこかの誰かのストーリー



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