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ちょっと覗き見 01:機会

ビジネス演習コースのアシスタントテンポラリーさんが急に辞めたらしい。
スクールでは「今年一年」と契約するから、何か事情があったのだろう。

たまたま事情のある人が重なって、立て続けに2人辞めたらしく、ビジネス演習コースはてんてこ舞いというか、大騒ぎというか、――混乱していた。
「上級マネジャーにも言ってるんですよ、このままで2ヶ月も3ヶ月もはもちません、て」
「急いで人を見つけて欲しいと頼んでるんだけど、動いてくれてるのかくれてないのか、全然分からなくて」
「もう上級マネジャーにもやいやい言ってるし、マネジャーも皆からどうするんですかって言われるから焦ってて、マネジャーからも上級マネジャーにかなり言ったらしい」
「もう、ホントにこのままじゃどうしようもないから。だって私と木花先生と権現先生と本谷先生だけでしょう? 無理ですよ」

わたしにとっては「あら~、大変ですねぇ~」という、人ごとの話だ。

そのとき総合ビジネス課程を束ねていたのは、白崎上級マネジャーだった。
ビジネス演習コースは、総合ビジネス課程に分類されている。

そしてわたしがさせてもらっているPCプラクティスやスキルアップ研修も、白崎上級マネジャーが直接の責任者だった。
上級マネジャーは4人いるが、PCプラクティスなどはパソコン関係なので、総合ビジネス課程の上級マネジャーが責任者だ。

というわけで、ビジネス演習コースからやいやい言われているのは、わたしにとっても直属の上級マネジャーだったわけだ。
――白崎上級マネジャーも大変だな。

実際、矢のような催促をかわすのは面倒だったらしい。
白崎上級マネジャーがわたしを呼んだ。
「あのさぁ、ほんの数日でいいんだけど、ビジネス演習コースを手伝ってもらえないかと思ったんですよ」

――え? そんなことができるんですか!?

そういう枠を飛び越えるようなことは、本来ご法度だ。
だって雇われ方が違うのだ。
わたしは「何日から何日まで」というコースのあるときだけ契約する、委託。外の人扱い。
アシスタントテンポラリーさんは直接スクールに雇用されている人たちだ。

たとえていえば、ダブルワーク先の出版社で、いつも季刊誌のときお願いしているデザイナーさんに、「ちょっと今編集部のデザイン担当が軒並み辞めちゃって、すごく困ってるから何日か働きに来てくれない?」と言うようなものだ。
一般企業ならそういうことも、もしかしたらあるかもしれないけれど、スクールではあり得ない。

白崎上級マネジャーだからこそできる力技というか、離れ業だ。
この方は結構こういうことをする人だった。「え、いいんですか?」「いいんじゃない?」というノリで。

できるのなら、それは実に興味深い。
何年もスクールに通ったが、未だPCルーム以外の教室(トレーニングフロア)に入ることさえためらわれるわたし。
どんなふうに講習をしているのかとか、どんなふうに教えているのかとか、見られるってこと?

きっと勉強になるに違いない。

・・・・・・と、表立っては言うとしても、正直なところは野次馬根性だ。「面白そう!!」

これが半年とか、一年とか、ことによると何年もいるつもりとなると、単純に面白がってはいられない。
わたしで務まるだろうかと不安になったり、先生方とうまくやっていけるだろうかと心配したりするだろう。
だけど数日でしょう?
わたしがたとえ役立たずでも、実習生さんたちに壊滅的な影響が出ることはないでしょ。
先生方とかみ合わなかったり、呆れられたりしても、ほんの数日で去るんだしね。

「わたしでよろしいんですか? お話をいただいて、大変有難いです。よろしければぜひ、お手伝いさせてください」
「じゃあ、ビジネス演習コースの権現さんに言っておくね。PCプラクティスの○○さんが行くって」

白崎上級マネジャーにしてみたら、誰でも良かったのだと思う。
その当時、PCプラクティスを担当していたメンバーの誰でも。
ただスキルアップ研修で一番顔も知っているし、とりあえず手近なわたしにまず持ちかけてみた。そうしたらOKだった。もしNGだったら、当時一緒にやっていた久慈先生か五ヶ瀬先生に聞くだけのこと。

わたしは嬉しかった。最初に声をかけてもらえてよかった。
おかげでわたしたちPCプラクティス講師には、まず味わえないことを体験できるのだ。

白崎上級マネジャーはとりあえずOKを取ると、詳しい日程は権現マネジャーと相談してから知らせると言った。
わたしはダブルワークがあるので、そちらに影響が出ることが心配だったが、もう出ても引き受けるしかないと覚悟を決めた。

権現マネジャーは、ビジネス演習コース内で打ち合わせをし、必要な曜日を割り出した。
「月曜は木花先生もいるから大丈夫、火曜と水曜は木花先生がいない上、権現先生が離れたところで実習を監督するから人手が必要・・・・・・」というふうに。
そこでわたしは、火曜と水曜、週に2日行くことになった。

週2日といってもほんの少し、2週間だけの話だ。
なぜかというと、流用できる予算が足りなくて、わたしにそれ以上の給料を払えないからだ。
立場の違うわたしに給料を払うには、アシスタントテンポラリーさんを新しく雇うのとは違って、難しいらしい。
まったく、スクールの会計の仕組みは、いろいろなルールが細かすぎてよく分からない。

わくわくした、というのは不謹慎だろうか。

正直なところ、見たことのない世界を見られるというので、わたしはわくわくした・・・・・・



●8年目:いろんな出会い
Chapter 4 どこかの誰かのストーリー



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