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ちょっと覗き見 06:スタッフとして

実習生さんたちは早めに終える。
スタッフのように17時までなど実習はない。

で、スタッフは、その後にミーティングをしたりすると分かった。

実習生さんたちがいる間は、何かと忙しく、コーチたちは他のことを考えている暇がない。
常に目の前の実習や、今日来ている実習生さんたち、休んでいる実習生さんたちのことで頭がいっぱい。

――それはわたしがスキルアップ研修をしているときも同じことだ。
学校の先生というのも同じかもしれない。

レギュラースタッフとテンポラリースタッフは、休憩時間が15分短い。
アシスタントテンポラリーは1時間なのに、45分しかないのだ。
早く帰った分、その15分で打ち合わせをする。
たぶんその打ち合わせは、より高いレベルでの打ち合わせで、それを下にも伝えると共に、下からの報告も吸い上げるのが、終わってからのミーティングなのだろう。

木花先生は毎日は来ていないわけで、もしかしたらこの上から下までのミーティングは、曜日が決まっているのかもしれない。

わたしなど、ミーティングに参加させてもらっても右も左も分からない。
それに、ほんの2、3日しか来ないのに、こんな席にいて話を聞かせてもらっていいのだろうか?
(この時点ではわたしがほんの数日しか来ないというのは伝わっていなかったので、それでミーティングにも入れてもらえたのだと思われる。)

このとき権現マネジャーや本谷先生、江津先生が何を言っていたか、具体的には忘れてしまった。
いろいろな注意事項を話していたのは覚えている。
それは「上級マネジャーたちがこう決めた」とかそういう連絡事項ではなかった。(そういうのはたぶん、朝のスタッフ連絡会などで全員に伝えられる。)
一人一人の実習生さんについて、注意したほうがいいと思うことを話したりしていた。「**さんは最近生活が乱れてきているようです。遅刻などをしたときは、必ず理由を聞くようにしています」とか。「**さんは実習についていくのがきついと感じているようです。本当は来週から新しい単元に入るはずでしたが、予定を変更してこれまでの復習をしたほうがいいかと考えています」とか。

権現マネジャーは、全体の方向性を話すこともあった。「ビジネス演習コースとしては、このようにしていこうと考えている」というようなことを。
本谷先生もレギュラーだからそういう話をする資格があったかもしれないが、我を出す方ではなく権現マネジャーに任せていた。

横道にそれてしまうけれど、本谷先生が性格としておとなしい人かどうかは分からない。
何年かしてよそに異動していかれて、今はもしかしたら偉くなっているかもしれない。よほどの失敗をしなければ、年限相当の地位を与えられるはずだ。
そうなったら、自分の意志をもっと出すのかもしれない。
自分の分を守るということが、組織としてはとても大切だから、後々上に上がっていくような人は、まず間違いなく上の人を立てる。
本谷先生もそうだったかもしれない。だって、優しい穏やかな人だって、理想や自分の考えはあるだろう。自分はまだ未熟だと、意見を押し通すのを控えていただけかもな、と思うのである。

わたしが心に残っているのは、アシスタントテンポラリーである木花先生が、堂々と自分の考えを述べていたことだ。
本谷先生のようにレギュラースタッフたちは、やはり役職や階級に縛られることを思えば、アシスタントテンポラリーだからこそなのかもしれないが。
でも誰もそれを非難するふうではなかったし、日頃「アシスタントは黙ってろ」という空気だったら、木花先生だってそんなに天真爛漫に思いを述べることはできなかったろう。

「人によっては、AccessのBetween And関数くらい教えてもできると思うんですよ。進んでいけるなら進ませてあげたいですよね」

意味は、「ビジネス演習コースには確かに習得に時間のかかる人や、習得できる内容に限界のある人もいるので、どうしても難しい内容に進まずに、じっくりやっていこうね的になりがちだが、中にはもっと高度な内容を習得できる可能性がある人もいる。じっくりやっていくべき人たちが多いために、そういった人たちも限定された内容で終わってしまうのはいかがなものか? 先まで進められるなら、行けるところまで行くのもありだと思う」。
支援はケースバイケースである。
そう言ったとき、どうしても「繰り返しやるのがいい人もいれば、1回をじっくりゆっくり進めるのが
いい人もいる」といった、知識内容としては低いところで考えがちだ。
でもたとえば、発達障害には記憶障害はない。理解の仕方の違いや、捉え方の違いで理解しにくいこともあるが、逆に常人にはできない発想で根本を捉えることもある。
そういった、もっともっと高度な内容ができる、必要であるならば、対応するのが真のケースバイケースではないか。

今レベルが高い・低いという言葉を使っていて、違和感を感じる人もいるかもしれない。
でもそれは、当人のレベルの話ではなく、パソコン知識としてのレベルである。別に、たくさんの知識を覚えているから人間のレベルも高い、というわけではない。Excelのレアな機能まで知っているから人間として優れている、Accessの考え方を理解しているから立派な人間であるというわけではない。
「俺はこれこれはからきしなんだが、これこれは得意なんだよ」という人は、いくらでもいる。これこれが逆転することもあるわけで、ある人が得意だということが、別の人は苦手だということもある。
なにしろ現場では「デキる人」とか「高度なこと」とか言ってしまうけれど、それは分かりやすさ、簡潔さのためであって、誰かを上に見たり下に見たりしてはいない。
お分かりいただいていると思うが、念のため。

それよりも、木花先生のセリフで「あ」と気づいてくださった方がいたら、もう感激ものだ。
ずーっと以前の記事を知っていて、しかも記憶に留めてくださっている証拠だから。

わたしはAccessのスキルアップ研修をしたとき、「このBetween Andというのは関数なんですよね?」というようなことを聞かれて、「関数ではない」と答えたのだ。
するとその受講者さんは、実はすごいメモ魔だったのだが、テキストに赤ペンで「関数ではない」と大きく書いた。
そんなふうに書かれてみるとわたしは慌ててしまって、「え、ちょっと待って! そんなふうに大きく赤字で書かれると――!」と動揺した。関数ではないと思うけど、そう書かれてみると「どうだったっけ?」と不安になったのだ。

で、木花先生が「Between And関数」と言ったために、「関数だったのか~~~~~!!!!」と思ったのだ。
訂正したくても、もうその人が受講したのは過去の話だ。
後から「あれは関数だよ」と誰かに言われて、「あの先生、嘘を言ってたのか」とスクールのレベルまで疑われていたらどうしよう・・・・・・

しかしのちに、テキストのバージョンが変わったら「Between And演算子」と書いてあった。
当時は「Between And」としか書かれていなかったのだ。
やっぱり関数じゃなかったのか~~~~~!!!!

という出来事。
これは木花先生の発言だったのである。

わたしが自信がなかったから翻弄されていただけで、もしこのときもっと自信があって「関数じゃなくて演算子ですよね」と指摘していたら――
きっと軽く「ああ、そうそう、Between And演算子、あのくらいできると思うんですよ」と答えたろう。
知っていたって間違って言ってしまうことはあるし、少なくとも使い方はちゃんと知っているわけである。教えようっていうんだから。

このことがあったせいだとは思うのだが、このミーティングで記憶に刻まれて今でも残っているのは、この木花先生の発言シーンである。

しかしとにかく、全員が実習生さんにとって良かれとあれこれ考えていると知った。
それが吉と出るか凶と出るか、真剣に考えたからそれでOKというものでもないのだが。
だがもし、凶と出たら、「**さんですが――」と軌道修正が話し合われるのだろう。

教えることが好きでなければ務まらないな、と思ったものである・・・・・・



●8年目:いろんな出会い
Chapter 4 どこかの誰かのストーリー



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