FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

対等であること 04:人間だもの

「そういえば、**さんて車椅子の方、お仕事お辞めになったんですよねぇ」
「そうなんだよね。まだ定年には何年もあったのにね」
「体調が悪いときもあったり、つらそうなことがありましたもんね」
「まあね」
「でもお仕事辞めてしまわれたら、どうされてるんでしょうね?」
「大丈夫じゃない? 奥さんいるから」
「奥さん、いらしたんでしたっけ!」
「いたよ」
「前からいらしたんですよね?」
「いや、最近でしょ。何年か前――5年くらいかな」
「え!」
「仕事ばかりだったけど、今は人生の考え方変わったんじゃない?」(少し笑いながら)


「障害がある相手と結婚するって、大変ですよね。正直言って」
「そうですよねぇ~」
「好きだって言ってもね、やっぱりね」
そこに鶴の一声。
「女性が障害者になったら、男性は結婚しないね。経験上ね。男性が障害者になったら、女性は結婚する――お金があればよ?」
「ああ~」
「まあ、ある程度生活に困らないくらいあればね」
「車椅子で中小企業の社長って人、けっこういるじゃない? ああいうことがあるからね」

――わたしもそういう例を知っている。
あるスキルアップ研修に来ていた人、車椅子で中小企業の社長さんで、奥さまがいた。年齢は、そうだな、たぶん40代後半から50代後半のいずれか。
奥さまとは障害を受けてから結婚したとのことで、まだ結婚して2年か3年の新婚さんだった。


「知ってる女性がね、事故に遭って、人工呼吸器につながれてね。婚約者がいたんだけど、そのとき男性はすぐに婚約破棄したよ」
「あ~」
「でも仕方がないかもしれないですよね」
「私も自信がないですもの。そんな状況になったら」
「私もですねぇ」
「また、女性側の親御さんだって、そうなってしまった娘についていなくてもいいって思いますもんね」
「でもそっちの親はね、もしかしたらって思うからね。そんなことは言わないよ。逆に男性の親のほうはね、説得するんだよね。お前の未来のことも考えて、とかね」

どちらの気持ちも分かる――と沈黙。難しい問題。

「それで、結局その女性の方は、その後は――?」「
それが、治っちゃってね、今も元気に生きてるんだよ」

おお~!とその場にいた全員がため息。

「まあ、治ったっていってもね、自由に動けたりするわけじゃないよ」
「そうでしょうねぇ」

――そうなると男性が婚約破棄したのもうーん、分かるというか。きっと若かったろうに、その若さで、その後ずっとだもんねぇ。

「これがね、あと3年ですって言われたら違ったと思うんだよね。余命3年ですって言われたら、そこまでは一緒にいて。気持ちも『最後までついていた』って思えるしね」

うーん。感動の話としては、そんなことを考える主人公はいないが、これは現実だから。

「彼女は、障害の重い人に生きがいをっていう計画があってね、仕事の話もあったけど、重度だからね。働くまでのことはしたくないってご本人が言ってね」

では、やはりそれほどの重い障害を受けてしまったのか。そして元気に生きている。
正直なところ、男性の親御さんたちは、言葉は悪いけどホッとしているに違いない。「あのとき諦めさせてよかった」って。


「仕事で障害者に関わっている人たちの飲み会に、彼氏に連れていってもらってね」
「へぇ~、どんな仕事をしている人たち?」
「***の仕事」
「へぇ~、同じ障害者に関わるといっても、全然違う分野だなぁ~」
「やっぱり、実際に密に関わってるとね、大変なこともあるらしいって分かったよ」
「そうなの?」
「アルコールも入ってるからさ、ずいぶん気炎を上げてたよ。ちょっとこの場でいえないような言葉も使ってた」
「え、どんな? って聞いていい?」
「**********~!って」

――うわー、それはかなりキテるね。

「障害者からはいろいろ細かく要望があって、それを全部聞くには時間も手間もかかるけど、その分は収入にならないとかさ、いろいろあるらしいよ」

傍目で見ているだけとは違って、仕事で関わるというのはいろいろなことがあるものだ。


今回は結論がある。
障害者だからって全員が天使じゃない。いろんな人がいる。人間だもの。

現実は、ドラマみたいな感動話ばかりにはならない。人間だもの。

どんな人だって、いろいろある。人間だもの・・・・・・



●9年目:ハートの中心
Chapter 1 ハートの中心



■目次へ■

■まえがきにかえて(おことわり)■


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。