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時代の変化 01:世の中の変化

スクールでの10年が過ぎた。

4年目の中盤頃、わたしは当時の日記に書いている。
「以前スクールに通っていて、そのときは情報ビジネスコースだったという男性が来ている。でもその人より**という先端企業で契約社員になっている女性がすごかった。Excelを習いに来る必要あるの?と思う。もうこれ以上、この仕事についていけないかも、と思った。疲れた」

わたしが驚いた先端企業の契約社員だった人は、外資系で大変な仕事量。Excelを使いこなしていた。
他の人にしたって、使えないような人はいなかった。

講習というのは、パソコン教室で初めてPCインストラクターとして働いたときのような、ほのぼのしたものではなくなっていた。
世の中にはまだ、そういった講習会のようなものも残っていたけれど、講習会の人気は減っていた。
パソコンスクール、パソコン教室というのも激減していた。

昔は「OA専門学校」みたいなものもあったのだ。
でもそんなものは不要になっていた。受ける人がゼロではないが、経営が成り立つだけの人数は集まらない。
だって、WordやExcelやPowerPointや、そんなものだけ学んでも、それで重宝される時代は終わってしまったのだ。できて当たり前。

わたしがPCインストラクターを始めた頃に、あちこちにあったパソコン教室。
そこには、事務職でないためパソコンを使っていない人が通っていた。事務職に転職したいからという人もいたし、事務職以外でもパソコンを使うようになったからという人もいた。
シニアにも人気だった。リタイヤ世代は仕事で使わなかったので、パソコンを知らない人も多かった。インターネットや、孫の写真を取り込むのや、離れたところに住む息子家族とメールすること。そんなことを看板に掲げている教室も多かった。
でもそんな時代も過ぎ去った。シニアだって、ネットで自己表現し、写真はデジタルデータ、トラブルがあっても自分でネット検索して直してしまうようになった。

やがて学校でも情報教育という科目が取り入れられるようになり、「ここから先の世代はパソコンを使えない人はいない」という日が来た。
それ以上の世代は、どんな人も仕事で使う時代が来た。仕事で使わない人も、何らかの楽しみのために一家に一台はある時代が来た。

PCインストラクターの仕事はもうなくなると思いながら、わたしはこの仕事に就いた。
どうやら一度できた職種というのは、そう簡単に絶滅するものではないらしく、完全になくなりはしなかった。
たとえば、大学の教養講座としてのパソコン講習、スクールのスキルアップ研修のようなブラッシュアップ講座、求職者のための職業訓練の中に組み込まれているパソコンの授業、など残っているものは割とある。
でもやはり、数は激減した。

一家に一台以上、PCがある。あって当たり前、という時代が来た。

――ところがそう思っていたら、今度はまた時代が変わった。
スマートフォン時代の到来である。

インターネットやゲームをするのに、PCは必ずしも必要ではなくなった。
ケータイ(今で言うガラケー)を使っていた時代と違って、スマートフォンはネットもゲームもしやすい。
アプリというものも充実して、すべてスマートフォンでできる時代が来た。

そうなると、一家に一台以上PCがあるとは限らなくなり、一人暮らしだったりすると持っていない人も増えた。

たとえば、メール。
PCプラクティスを始めてしばらく経ったとき、当時の上級マネジャーが言った。
「実習生が就職活動をするとき、メールで連絡を取れるようにしたいんですよ。メールを使ったことがないって人もいるんでね」
そこでPCプラクティスにインターネットセキュリティやメールの内容が取り込まれた。

この時点で、携帯電話さえ持たないという人は少なかったので、
「この中でパソコンメールを一度も使ったことがない人は?」と聞いて、1~4人くらい。回による。
「携帯メールも使ったことがないという人は?」と重ねて聞くと、たいていは0人。まれに1人。

それが今度は逆行して、「パソコンではメールを使ったことがない」という人が増えた。
家にパソコンがあるとは限らなくなったからだ。

また「パソコンでメールをする」といっても、メールソフトとは限らない。
フリーメールが増えたからだ。メールソフトなんて使わないという人も増えた。
でも会社ではメールソフトを使うことになる。

パソコンの普及は劇的だった。
しかしスマートフォンの普及は、さらに劇的だった。

今どきパソコンを使えない人なんていない、タイピングができない人なんていない。
――と思っていたら、スマートフォンの普及で「何でもパソコン」ではなくなり、正しいタッチタイピングができない若者もいるという。

かつてのパソコン教室やOA学校、職業訓練校などでは、パソコンというとまずタイピングだった。
ホームポジションやタッチタイピングを徹底的に練習させられたそうだ。
――この時代は、わたしはまだPCインストラクターではなかったので、よく知らない。だが聞くところによるとそうだ。

お教室感覚のパソコン教室でさえ、ビシバシ鍛え上げるタイプの先生がいたようで、「怖い先生がいてね」と生徒さんから聞いたこともある。わたしがPCインストラクターとして初めて仕事をしたイロハPCスクールでのことだ。
「間違えると、昨日も同じ間違いをしましたよっ!どうして正しい指で打てないんですか!、なんて言われちゃって。怖かったですよ~」

「タイピングはみっちりやるべきだ。まず徹底的にタイピングを覚えてから、他の内容に入るべきだ」という考えの講師は、一人二人ではなかったようだった。
そういう話や持論は、何度か聞いたからだ。

でもそんなスパルタ式の講習ははやらなくなった。
仕事でさえスパルタ式は敬遠される時代だ。

だから学校やパソコンスクールで習っても、そこまでみっちりと叩き込まれることはなくなった。
そして家ではパソコンを使わないのだから、タッチタイピングもちょっとばかり適当という人が増える。

時代というのは流動的で、必ずしも一方向に向かっていくものではない。
未来がどうなるかは分からない。

そのたびにわたしは、右往左往することになる・・・・・・



●9年目:ハートの中心
Chapter 1 ハートの中心



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